オープンバッジとは、国際標準規格で認定された知識・スキルのデジタル証明書です。オープンバッジは、大学や資格認定企業・団体などがプラットフォームを通して発行するのもので、受検者・受講者はオープンバッジを電子履歴書やメール署名などに貼ることで、自身のスキルを証明することができます。
今回の記事では、近年注目を集めるオープンバッジの基本的な情報や取得までの仕組み、発行者・取得者のメリットをご紹介します。
オープンバッジとは
オープンバッジ(Open Badges)とは、知識や経験、スキルを電子的に証明するデジタル証明のことです。オープンバッジは、国際標準規格(IMS Global Learning Consortium)に則って発行されるもので、バッジ取得者が保有する資格情報や学習歴を信頼性高く証明することができます。
オープンバッジのなかには、ブロックチェーン技術を組み込んだ環境から発行されるものもあります。プロックチェーン技術に基づいて発行されたオープンバッジは実質的に偽造・改ざんができないため、非常に信頼性の高い証明となります。
オープンバッジは、これまでにグローバルのIT企業などから多く発行されており、IMS Globalのレポート では2020年までに4,300万個以上のオープンバッジが発行されたと報じられています。
働き方やキャリアパスが多様化するなか、日本でもオープンバッジを活用し、個人のスキルや経験を見える化することに注目が集まっています。
オープンバッジ取得までの仕組み
オープンバッジを発行・取得するための仕組みをご紹介します。
まず、オープンバッジ発行に関わる人・企業や団体・サービスを整理してみましょう。
オープンバッジ発行に関わる人・企業・団体・サービス
●オープンバッジ発行者(企業・団体):
資格認定団体、大学、教育機関、研修会社など、教育や資格、認定、研修を提供する企業・団体が発行者となります。
●オープンバッジ発行プラットフォーム:
国際標準規格やブロックチェーン技術に基づくオープバッジ発行・管理システムを提供する企業や団体があります。日本では一般財団法人オープンバッジ・ネットワークや株式会社ネットラーニング等がサービスを提供しています。
●オープンバッジ取得者:
オープンバッジ発行対象の資格を取得した人・講習を受講した人を指します。
オープンバッジ発行・取得・活用の流れ
次に、オープンバッジの発行・取得・活用の流れをご紹介します。
(1)発行者→プラットフォームに申請
まず、教育や資格を提供する企業・団体(オープンバッジ発行者)が、国際的な規格に基づいたオープンバッジ発行プラットフォームを運営する会社に申請します。申請が通れば、プラットフォーム上でバッジデータを作成します。
(2)発行者→取得対象者に授与
その後、オープンバッジ発行者(企業・団体)は、プラットフォーム上で取得対象者にオープンバッジを授与します。(3)取得者が自分でバッジを管理・活用
オープンバッジの取得者は、プラットフォームにユーザー登録し、ウォレットと呼ばれるシステム上で複数のバッジを管理することができます。オープンバッジは電子履歴書やメールの署名、SNSなどに簡単に貼り付けることができます。
オープンバッジのメリット
オープンバッジは発行者、取得者それぞれにメリットがあります。各立場のメリットをご紹介します。
オープンバッジ発行者(大学・資格認定企業など)のメリット
●受検者・受講者の学習意欲向上・モチベーションアップにつながる
わかりやすく視覚化されたバッジがあることは、学習者の取得意欲・収集意欲を刺激します。その結果、受検者・受講者の学習意欲全体の向上、モチベーションアップにつながります。
●紙の証書発行、卒業生の照会などの事務作業を軽減できる
紙での修了証発行や、卒業後の学位・単位証明など、従来、教育機関が行っていた事務作業を軽減できます。
オープンバッジに有効期限を設けることで、取得者自身が申告や再受検のタイミングを確認することも可能。学位証明などには、ブロックチェーン型の改ざんできないオープンバッジを発行することで、証書の再発行などにかかる手間を減らすこともできます。
●資格や講座の広報につながる
取得者にオープンバッジをどんどん活用してもらうことで、発行者が提供する資格や講座の認知向上につながります。
オープンバッジにはメタデータとして発行元のデータを埋め込むことができます。オープンバッジを目にした人がバッジの内容を照会することで新たな受検者・受講者を呼び込むきっかけとなります。
オープンバッジ取得者のメリット
●自分のスキルを客観的に証明できる
自身のスキル・学習履歴・経験を見える化し、客観的にアピールできます。国際的な規格に基づいて認定された信頼性の高い証明のため、就職や転職などの際にも正当な評価の対象となります。
●メールやSNSでアピールしやすい
ビジネスのオンライン化が進むなか、名刺に取得資格名を入れるだけではスキルのアピールにつながりにくいもの。
オープンバッジはデジタル証明のため、メールの署名やSNS(Twitter、Facebook、Linkedin等)で簡単に共有ができることがポイントです。日常的にやりとりすることの多いデジタルツールを通して、自分のスキルをアピールしたり、仕事の信頼性を高めたりすることができます。
●その後の学習計画・キャリア計画の指標になる
オープンバッジはさまざまな教育機関や資格認定企業から発行されているため、「いつまでに、どのバッジを取ろう」というモチベーションにもつながります。企業が社員教育として計画的なバッジ取得を促す、学習者が目標とする人の取得バッジを参考に学習計画を立てるなど、幅広い応用が考えられます。
まとめ
このようにオープンバッジは、デジタル時代のスキル証明書として、さらなる普及が期待されるものです。
教育や資格を提供する側にも、取得・履修する側にもメリットのあるオープンバッジは、今後、企業・団体を問わず活用範囲が広がっていくでしょう。教育や研修に関わる企業の方は、この動向に注目し、オープンバッジの有効な利活用の方法を模索してみてはいかがでしょうか。
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