単なるスケジュール管理とは異なり、仕事の効率や生産性をアップしたり、モチベーションの安定にも役立つ時間管理術「タイムマネジメント」。上手に活用すれば、個々のスキルアップや経営効率化にもつなげることができます。
この記事では、タイムマネジメントの重要性や行う方法、成功のポイント、注意点などを詳しくご紹介します。
タイムマネジメントが重要な理由
タイムマネジメントは「時間管理」のテクニックの一つです。時間管理といえばスケジュール管理を思い浮かべる方も多いでしょう。まずは、従来のスケジュール管理とタイムマネジメントの違いやタイムマネジメントでどのようなことができるかを解説します。
タイムマネジメントはスケジュール管理とどう違う?
スケジュール帳などで管理されているスケジュールと、実際に1日の中でやるべきことを比べてみてください。会議の下準備や議事録作成、メールの返信、コピーなどの雑務といった、スケジュールにないもののやらなければならないタスクがたくさんあるのではないでしょうか。
こういったタスクは、従来のスケジュール管理では効率化することは困難です。タイムマネジメントではスケジュールにはないものも含めすべてのタスクを洗い出しそれらの時間配分を決めるため、優先順位や効率を考慮しながら着実に作業を進められるようになります。
本質的な業務効率化=時間当たりの成果の向上が可能
タイムマネジメントの大きな目的は、時間当たりの成果を高めることです。成果を上げるための仕事に注力するためには「仕事をコントロールする」ことが大切です。大まかにいえば、この「仕事をコントロールする」ことこそがタイムマネジメントだともいえます。
タイムマネジメントを適切に行い、個々が自身の仕事をコントロールできるようになることで、単に作業時間を短縮する・残業時間を減らすといった効率化ではなく、時間当たりの成果を高めるという本質的な業務効率化を叶えられるのです。
タイムマネジメントの方法
実際にタイムマネジメントを取り入れるには、どのような手順を踏めば良いのでしょうか。ここでは、4つの手順に分けてご紹介します。
手順1:タスクの洗い出し
まずは、大きなタスク、それに付随するタスク、雑務などの細々としたタスクなどすべてのタスクを洗い出します。ブレインストーミングやロックツリーなどの手法を用いて「やるべきこと」「やりたいこと」「やったほうがいいと思うこと」などさまざまな視点からタスクを思い浮かべるのがおすすめです。
手順2:優先順位付け
すべてのタスクを洗い出したら、次はそれぞれのタスクに優先順位を付けていきます。
優先順位の付け方にはいくつか種類がありますが、よく使われる手法が「アイゼンハワーマトリクス」です。この手法では、まずタスクを下記の4つの領域に分類します。
第I領域:緊急性と重要度の両方が高いもの
第II領域:緊急性は低いが重要度の高いもの
第III領域:緊急性は高いが重要度の低いもの
第IV領域:緊急性と重要度の両方が低いもの
タスクを分類したら、これらにI>II>III>IVの順番で優先順位を付けていきます。
このほかにも実現可能性と成果の大きさの掛け合わせで優先順位を付ける「フィジビリティスタディ」という手法などもあるので、取り入れやすい手法を選んでください。
手順3:目標設定
優先順位を付けたら、次はそれぞれのタスクに対する目標設定を行います。この際には、「SMARTの法則」を活用するのがよいと言われています。SMARTとは「具体性」「計量性」「達成可能性」「関連性」「期限」を意味する英単語の頭文字を取ったもので、この5つの要素を意識することでクオリティの高い目標設定ができるようになります。
手順4:実践と振り返り
ここまでの手順を済ませれば、ついにタスクの実践に至ります。さらに、週1回程度の振り返りを行い、手法を変えたことで支障は出なかったか、クオリティは下がっていないか、予定や目標とのズレはないかなどをチェックして都度修正していきましょう。
タイムマネジメントを成功させるポイント
タイムマネジメントを上手く活用するには、大切なポイントやコツが多々あります。ここからは成功のためのポイントを3つご紹介します。
具体的な目標設定
手順3:目標設定の項目でも触れましたが、目標の具体性はとても重要です。単に「完成させる」「終了する」といった目標では、漠然としているためモチベーションの維持が難しくなります。
「完成させる」ではなく、完成のために「何を」「どこまで」「いつまでに」など具体的な内容をしっかりと設定するようにしましょう。また、タスクを区切って細かいゴールを設定しておけば、その都度達成感を得ることができ、モチベーションアップにもつながります。
優先順位の低い業務に対する配慮
雑務など優先順位の低いタスクは後回しにしがちですが、そのままではいつまでたってもタスクが終了しないという状況にもなりかねません。週に一度程度まとめて優先順位の低いタスクに取り組む時間を設ける、アウトソーシングなど人に任せることを検討するなど、このような業務にも配慮しておきましょう。
余裕のあるスケジューリングを意識
効率化のみを考えて時間いっぱいにスケジュールを組んでしまうと、予定外の業務が発生した際に予定が大幅に狂うことになります。午前・午後それぞれに予備時間を設定するなど、スケジュールには余裕を持たせることが大切です。突然の変更などに備えて、作業を締め切りギリギリに設定しないようにも注意しましょう。
また、予定外の業務の発生に関しては、「5分程度で終わるものはその場で終わらせる」「時間がかかるものは翌日以降に回す」など、判断基準を設けておけばスムーズにマネジメントできます。
タイムマネジメントを行う上での注意点
タイムマネジメントを行うには、注意すべきポイントも多くあります。ここでは3つの注意点について解説します。
実現可能な範囲で無理なく行う
せっかくタイムマネジメントを行うのだからと完璧なスケジュールを目指したくなるかもしれませんが、スケジュールや効率化の完璧さに気を取られると設定した目標の達成が難しくなることもあり、モチベーションの低下にもつながります。
あくまでマイルストーンに重点を置き、タスク量が多すぎる場合は不要なタスクを除外したりほかの人に任せたりすることを検討するなど、実現可能なスケジュールを組むようにしてください。
直観や主観で重要度・目標を設定しない
タイムマネジメントを行うための各手順を直観や主観に頼ると、優先順位や目標の設定を誤ってしまいがちです。論理的かつ客観的な視点を心がけましょう。
大きなタスクを一気に取り組もうとしない
大きな仕事をそのままタスクとしてスケジュールに組み込むと、取りかかるまでにストレスを感じたり、どこから手を付ければ良いかわからなかったりといった問題が生じます。細かい手順に分割しブロックごとにスケジューリングすることで、取りかかりやすく着実にこなせるようになります。
まとめ
上手く活用できれば非常に有用なタイムマネジメントですが、そのためには適切な手順で実践することが大切です。今回ご紹介した成功のポイントや注意点も参考に、タイムマネジメントで業務効率化を目指してください。
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