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業務の改善や効率化に役立つおすすめのフレームワーク

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業務の改善や効率化に役立つおすすめのフレームワーク

業務効率化や生産性向上などを目的とした業務改善を進めるには、現状の業務プロセスを可視化するための「フレームワーク」を設計することが大切です。いわゆる「業務の見える化」によって課題を洗い出したり、具体的な改善計画を立てたりするうえで、フレームワークが重要な役割を果たします。
本コラムでは、フレームワークの意味や作成するメリット、業務改善に役立つおすすめのフレームワークについてお伝えします。

業務改善・効率化に活用するフレームワークとは

フレームワークを直訳すると「枠組み」という意味です。業務改善におけるフレームワークとは、具体的な改善策を計画するうえでの考え方や手法、手順などを意味します。
業務改善を進めるには、何よりも現状における業務プロセスの課題を突き止めることが大切です。そこで、現場の従業員にヒアリングをするなどして課題の原因を洗い出し、改善策を考え、実行に移していくという一連の考え方や手順を「フレームワーク(枠組み)」にすることで、さまざまな問題を解決へと導けるようになります。

業務の改善や効率化にフレームワークを導入するメリット

業務改善におけるフレームワークを活用することで、以下のようなメリットが享受されます。

課題の本質を探れる

「残業が多い」「コストがかかり過ぎ」など、現場にはさまざまな課題があるでしょう。それに対して、「残業を減らせ」「コストを削減しろ」と管理職が言っても、現場には「どうやって?」という疑問が出るだけで解決策にはなりません。
フレームワークを使えば、たとえば残業の多くなる本当の理由が「人手不足だから」「無駄な業務が生じているから」といった課題の本質を可視化できるようになり、具体的な対策を打ちやすくなります。

課題を共有できる

フレームワークのいちばんの目的は、「課題の見える化」です。課題の本質的な原因は、現場で業務をしている従業員には見えない(わからない)こともあります。そこで、フレームワークを用いることで、課題の全体像や論点が明確になり、現場の従業員から経営層まで共有しやすくなります。多くの人に共有されることで、「誰がどのように対応すればよいか」といった業務改善策の議論もでき、課題解決へと導きやすくなります。

業務の改善や効率化に役立つフレームワーク5選

ひとくちに業務改善のフレームワークといっても、いくつもの種類があります。そのなかから、自社の考え方や課題の種類などに応じて適したフレームワークを選ぶことで、改善策のアイデアを提言しやすくなります。
ここでは、代表的なフレームワークについて紹介しましょう。

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、継続的に業務改善を進めるためのフレームワークです。ポピュラーなフレームワークですから、すでに活用している企業も多いのではないでしょうか。
PDCAサイクルでは、以下4つの工程を繰り返しながら、業務改善を目指します。

(1)Plan(計画):課題を洗い出したうえで、具体的な業務改善計画を立てる。
(2)Do(実行):業務改善計画を実行する。
(3)Check(評価):実行した効果を測定し、業務改善の進捗を評価する。計画通りに進まない場合は、やり方を変えるか、そもそもの計画の見直しを行う。
(4)Action(改善):評価結果をもとに、さらに改善すべき課題が無いかを検証する。

(4)で終わりではなく、さらに改善する方法を模索して(1)計画を立て、(2)実行、(3)評価を繰り返すことで、継続的な改善や組織の成長を促すのがPDCAサイクルの目的です。

ERCS(イクルス)

ERCSも、4つの工程から構成されるフレームワークです。PDCAと異なる点は、「効果が見込まれる改善策を優先して進めていく」という点でしょう。具体例を交えながら説明します。

(1)Eliminate(排除)
まず、社内の課題を洗い出したうえで無駄な業務を「排除」することから始めます。たとえば、「誰もチェックしない日報は廃止する」「不要な個包装をなくす」「外注できる業務はアウトソースする」といったことです。

(2)Combine(組み合わせる)
別になっていた業務を、連続して作業したり同時に処理したりと「組み合わせる」ことで、効率化を図ります。「適宜やっていた事務作業をまとめて実施する」「ラインごとに行っていた検品作業を1つのラインにまとめる」「ランチ時間に会議をする」などのケースがあります。

(3)Rearrange:再配置
「再配置」とは、作業担当者やシステムの変更などで効率化を図ることです。「新人にできることなら交代する」「製造工程を変更する」「紙の資料を電子化する」などが挙げられます。

(4)Simplify(簡略化)
作業手順を単純化したり省略できるところを削減したりするなど、業務の「簡略化」を図ります。「プレゼン資料をテンプレート化する」「FAXからメールにする」などの方法があります。

KPT

KPTとは、これまでの業務で「良かったこと」「悪かったこと」を振り返りながら課題を洗い出し、業務改善を進めるフレームワークのことです。K(Keep)は今後もノウハウ化して続けること、P(Problem)は改善が必要な課題、T(Try)はKとPを踏まえた今後の改善計画を示します。
たとえば、Kが「業務の自動化でコスト削減できた」、Pが「新たな業務で人手が足りない」という場合、Tは「自動化で余裕のある従業員を人手の足りない部署に回してサポートしてもらう」といった考え方です。
具体的には、KとPをふせんなどに書きだしてホワイトボードや模造紙に貼り出すことで、ノウハウ化することと改善点を可視化できます。

ロジックツリー

ある課題に対して、それが生じる原因はひとつとは限りません。そこで、課題の原因について論理的に説明できる可能性も含めて枝分かれさせながら広げていき、多角的に分析していくのが、ロジックツリーという方法です。
一例として、「残業が多い」という課題があったとします。その原因は「人手不足」「業務量が多い」という2つが考えられるとします。次に、人手不足になる原因を考えると「離職率が高い」「採用が少ない」、業務量が多い原因は「無駄な業務が多い」「属人化している」といったことが考えられます。
このように、課題の原因を深く追求していきながら、最終的に枝の末端にあたる要素が、課題の根本的な原因となるのです。
上記の例は課題の原因を探るケースですが、「どうすればできるか?」といった目標達成の手段を洗い出す際にも、ロジックツリーのフレームワークが活用されます。

BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)

BPMNは、図形や矢印などを用いてフローチャートのように業務プロセスのフローなどを可視化し、課題や改善策を見つけやすくするためのフレームワークです。
基本的には、「イベント」「アクティビティ」「ゲートウェイ」「シーケンスフロー」という4つの記号を用いて、業務プロセスの内容を可視化していき、無駄な業務や連携すれば改善できることなどの問題点を挙げていきます。さらに、改善点をもとに再びBPMNでフローチャートを作り、効果について検証することも可能です。
このように深掘りしていくほど業務改善効果が現れやすくなりますが、これを人手で実行するには時間と手間がかかります。現在はこのフローを自動化するツール(BPMツールなど)も登場しており、業務改善を効率的に進めることが期待できるでしょう。
ちなみにBPMNの定義や描画法(記号など)は、国際標準「ISO19510」に登録されています。

まとめ

業務改善を実行するには、何よりも先に現場の業務内容を正しく理解し、課題や問題点を明確にすることが重要です。上記で紹介したPDCAサイクルやERCSは、課題の原因をつかんだうえで利用できるフレームワークですから、原因がわからないときはKPTやロジックツリーといった方法から始めるとスムーズに進められるでしょう。
また、課題や問題点を明確にする際には現場の声をヒアリングすることも大切です。管理職や経営陣だけで進め、業務効率化の施策を一方的に決めると、現場から不満の声が挙がり失敗するケースが多々見られます。課題の本質を突き止めるうえでも、現場の声を重視して、業務効率化の施策を一緒に考えていくのが成功への近道です。

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執筆者情報

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