
前回「業務改善とは?必要とされる背景と進め方」では、業務改善が必要な背景や具体的な実施手順などをご紹介しました。
今回は、その続編として、業務改善に必要な考え方や、業務改善で得られる効果などをご紹介いたします。
ぜひ、業務改善に取り組みむ前にポイントを押さえておきましょう。
【関連記事】
業務改善とは?必要とされる背景と進め方
業務改善に役立つフレームワーク
業務改善を実施する際、業務を可視化して見直す中で、明らかに改善すべき課題が浮き彫りになった場合はそこから取り組めば良いですが、改善サイクルを複数回、回した後などでは、一体何を改善すべきなのかが見えなくなることもあるでしょう。
そのような時に改善の糸口を掴めるよう、知っておくと役立つフレームワークを2つご紹介します。
QCD
QCDとは、「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の頭文字を取ったもので、もともと製造業において生産技術の柱とされてきた要素です。3つの要素とも重要ですが、それぞれが相互に関係しているため、どれか1つを大きく向上させようとすれば、ほかの要素が悪化する場合もあり、バランスを取ることが大切になってきます。
業務改善の対象業務に対し、Q・C・Dのそれぞれを評価して最適なバランスになっているかをチェックし、最適化する方向へ改善すると良いでしょう。その際に活用したいのが、次にご紹介する4Mです。
4M
4Mとは、製造業において品質管理を行う適切に行うための4つの要素である「Man(人)」「Machine(機械)」「Material(モノ)」「Method(方法)」の頭文字を取ったものです。
- Man(人)…作業員、従業員などの人と、人に紐づくスキルやモラル、モチベーションなど。
- Machine(機械)…設備、機械、工具、治具、これらのレイアウトによる導線確保など。
- Material(モノ)…材料や原料、加工品、これらの調達手段など。
- Method(方法)…作業方法や作業手順、加工条件、測定方法など。
業務改善の対象業務に対し、上記の4つのMそれぞれに前項でお伝えしたQCDを当てはめ、最適化を目指しましょう。
業務改善で得られる効果
「業務改善とは?必要とされる背景と進め方」では、業務改善の目的として「業務効率化」「生産性向上」「商品・サービスの品質向上」の3つを上げました。業務改善に取り組むことで、これらの効果が期待できます。
ここではこれらについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
業務効率化
普段、特に煩雑さや不便さを感じずにルーティンワークとしてこなしている業務でも、いざ見直してみると、不要な作業や効率の悪いフローで行っていることがあるものです。
業務効率化とは、業務にかかる時間コストや人的コストなどを下げることをいいます。
業務改善を行う中で、無駄な作業や、必ずしも社内で行う必要がない作業などを洗い出し、作業をなくしたり外注したり、デジタルツールで自動化したりといった対策を取ることになるため、業務効率化につながります。
生産性向上
生産性向上とは、経営資源であるヒト・モノ・カネの最小限の投入で最大限のアウトプットを得ることをいいます。前項の「業務効率化」も生産性向上を実現する要素の一つです。
さらに、業務改善の成功により、業務効率化が実現できれば、従業員の作業時間にゆとりが生まれます。その時間を、より生産性を高めるための企画業務などに当てられます。
商品・サービスの品質向上
商品・サービスの設計や製造、品質管理、また、顧客と接するサービス担当などの部門において業務改善を進めることで、顧客に提供する商品・サービスの品質向上を実現できます。
その結果、顧客満足度の向上も期待できます。
その他の効果
業務改善を行うことで、上記3つの効果のほかにも、労働時間の短縮などによる労働環境改善やコストの削減、働き方改革の推進、BCP(Business Continuity Planning/事業継続計画)などの効果が見込めます。
業務改善を成功させるためのポイント
別記事「業務改善とは?必要とされる背景と進め方」では、業務改善を進める手順をご紹介しましたが、その際のポイントは、以下の3つです。
経営戦略に沿って改善策を考える
業務改善は経営課題と直結する取り組みであるため、単に業務だけを見ていても大きな改善効果は期待できません。自社の経営理念や経営戦略、経営計画といった大きな指針に基づいて、業務を見直したり改善計画を立てたりする必要があります。
一度の取り組みで終わらせない
前項とも関連しますが、業務改善は、特定の課題を解決するために一時的に取り組むといった類のものではありません。恒常的・継続的に取り組み、改善し続ける体制をつくることが大切です。長期的な視点で取り組みましょう。
積極的にデジタルテクノロジーを活用する
デジタルテクノロジーの進歩した現代は、業務改善を成功させるのに有利な環境にあるともいえます。新たな技術が次々に登場し、低価で利用できるツールも多くあります。
デジタルツールの活用で、業務改善ばかりかDX(デジタルトランスフォーメーション)の域で成功できる可能性もあります。
ぜひ、最新のデジタルテクノロジーを積極的に活用しましょう。
【関連記事】
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?~2025年の崖に向けて~
動画を積極的に活用して、DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させよう!
DX(デジタルトランスフォーメーション)が必要な理由と進め方
まとめ
業務改善関連コラムの第二弾として、業務改善に役立つフレームワークや成功のポイントなどをご紹介しました。本コラム以外にも、業務改善の考え方ややり方などはたくさんありますが、重要なのは継続して行い業務を効率化し今までより成果を上げることです。
定期的・継続的に業務の見直しと改善を実施し、その時々で最適な状態で業務を行えるようにしましょう。

法人向オリジナル動画配信プラット フォーム
UIshareのサービス資料
動画配信プラットフォーム UIshareの総合サービス資料です。
特徴、機能、金額の詳細をこちらのサービス資料にまとめています。