新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、3月頭から全国ほぼすべての小中高校において、突如として始まった臨時休校。朝昼晩、常に自宅に居続けるわが子の対応にずいぶん苦労された方も多いのではないでしょうか。
昼食の準備や仕事に行く時間をどうするかという生活面の問題も深刻ですが、親として気になる問題に学習の遅れがあります。この問題は、休校が終了したからといって即座には解決できません。
学習の機会を大幅に失った子供たちのために、各機関がさまざまな学習支援対策を打ち出しています。それらの一部をご紹介していきましょう。
教育現場も家庭も長引く休校で混乱している
新型コロナウイルスの影響拡大を受け、全国のほとんどの公立小中学校では3月頭から5月末までを休校としました。その間は学習指導要領にのっとった授業ができないため、大量の宿題が課され外出もままならない状況の中で多くの子供たちが毎日机に向かい続けました。
学校によっては「家庭で予習をして学習を進めておいてください」「わからないところは親が指導してください」などと要請するケースもあったようです。また、学習の遅れに対する不安から、親が教員に「オンラインで授業を進めてほしい」と詰め寄るケースもあったといいます。
親も学校もあまりにもイレギュラーな事態に大きく混乱しましたし、子供たちもその大きなあおりを受けました。
確かに丸3ヵ月もの休校期間があったわけですから、例年のカリキュラムに比べて学習が遅れていることは否定できません。しかしコロナ禍のような災害級の出来事があった年に、いつも通りのことができなくなるのは当たり前のことです。
今焦って学校教員が慣れないオンライン授業を始めたとしても、十分な学習効果が得られるコンテンツがすぐに作れるはずはありません。まずは無理をせず、できることから始めるという意識を持ちましょう。
自宅で使える学習支援コンテンツ
長期休校の期間中、学習の機会を失った子供たちに家庭学習のためのさまざまな教材を期間限定で無料提供する企業や団体が多数名乗りをあげました。そのうちのいくつかを紹介します。
いけばな池坊YouTubeチャンネル
中高生を対象に、華道の歴史や魅力を分かりやすく紹介する動画「よくわかる池坊いけばな」を公開。インターネット上の華道コンクール「学生華道インターネット花展」や、高校生を対象とした「花の甲子園」、華道に取り組む生徒たちへのインタビューも紹介されています。
小学生向けには「お家でできる簡単いけばな」と題したコンテンツを公開。マグカップやワイングラス、ペットボトルといった身近な素材で簡単にいけばなを楽しむ方法が紹介されています。
おうちで無料プログラミング教室
株式会社明光ネットワークジャパンは、2020年6月にプログラミング教室を開校することを決定しており、5月中限定で無料オンライン教室を行いました。プログラミングの経験がまったくない人もインターネットに接続したパソコンがあればどこからでも気軽に参加できるというもので、新たに学習指導要領に取り入れられたプログラミングのオンライン授業には注目が集まっています。
Yahoo!が提供するおうち授業
Yahoo!では、料理のレシピなどステイホームに役立つコンテンツを集約した「Stay Homeポータル」を開設しており、その中の特別企画「おうち授業」で各分野の著名人20人以上の授業動画を無料配信しています。講師を務める著名人は芸能人や文化人、アスリートなどさまざまな分野で活躍する人材ばかりで、工作や科学実験の実演、体操の方法、生き方や考え方に言及するものまで内容も多彩。期間終了後もサイト上で閲覧可能となる予定です。
休校中に算数・数学が得意になる学習支援コンテンツ
公益財団法人日本数学検定協会が提供するもので、算数や数学にまつわる学習支援コンテンツをまとめて紹介しています。有料のコンテンツもありますが、数学検定や算数検定の過去問や東大寺に奉納している算額の応募問題、情報誌、動画授業を受けられるLINE公式アカウントなど無料コンテンツも充実しています。
調べ学習のための酪農キッズファーム
一般社団法人中央酪農会議が、小中学生を対象に無料公開しているサイトです。同法人では酪農家などが学校と連携し、「食やしごと、いのちの学び」を支援する「酪農教育ファーム活動」を推進。このサイト内でも牧場や酪農家、牛乳、牛のからだ、牛の一生など、幅広い分野の情報を紹介しています。
しんぶんの“ワッ!”キャンペーン
日本新聞協会が主催するキャンペーンで、新聞を使って楽しめる楽しい知育ゲーム「しんぶんの“ワッ!”すごろく」がダウンロードできます。新聞紙が必要ですが、1週間分の試し読みも利用できるので、無料で参加可能です。
休館中も自宅で楽しめるコンテンツ
国立科学博物館では、博物館の内部にいるようなVR画像を楽しめる「おうちで体験!かはくVR」や、研究者による動画「おうちでかはく、科学に触れる時間」などのコンテンツを公開しています。また、公式YouTubeチャンネル「かはくチャンネル」でも、所属研究者のインタビューや延期中の企画展の解説などを公開しています。
子供の学び応援サイト
文部科学省でも、「臨時休業時間における学習支援コンテンツポータルサイト」としてこのサイトを公開しています。
「小学校」「中学校」など子どもの年齢に応じたページに飛ぶと、NHKで教育コンテンツを流す時間割が公開されており、各教科のページにリンク。リンク先のページは文字ばかりでややそっけない印象ですが、学習動画が公開されていたりドリルがダウンロードできたりと、国の提供するサイトだけあって充実した内容となっています。単純に教材を入手したいというシーンでも便利なのではないでしょうか。
まとめ
休校期間に無料公開されたこれらのコンテンツの多くは、学校の授業や受験に関係のない内容です。しかし多彩なコンテンツに触れれば、自分の興味がどこに向いているのか理解しやすくなります。それらの経験は子供たちにとって今後の人生のヒントになるのではないでしょうか。
学習支援の多くは5月31日をもって無料公開を終了しましたが、今後も無料閲覧を継続するコンテンツもあります。「これは」と思うテーマを見つけたら今後もチェックしてみましょう。
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