toggle navigation  

eラーニングの歴史-アナログから現代のeラーニング-

eラーニングの歴史-アナログから現代のeラーニング-

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
eラーニングの歴史-アナログから現代のeラーニング-

eラーニングとはインターネットに代表されるIT(情報技術)を利用する学習方法を指し、従来の通信教育をデジタル化(電子化)したものです。

eラーニングはパソコンやスマートフォンが普及する以前から一部で実施されていましたが、時代の流れや利用者の試行錯誤を受けて改善され、少しずつ姿を変えながら普及拡大を遂げています。

アナログの時代から現在まで、eラーニングはどのような歴史をたどってきたのでしょうか。本コラムではeラーニングを実施する際、あるいは受講する際の参考に、eラーニングの歴史をご紹介します。

アナログからCD-ROMへ

パソコンが一般に普及する前のアナログの時代は、授業や講義、研修などは講師と受講者が決められた日時と場所で行う集団授業や集団研修、講習会などの形式が一般的でした。しかし、いずれも時間や場所の制約を受ける点で提供者と受講者の双方にとって不便な一面がありました。

紙媒体を郵送でやりとりする通信教育やビデオ教材もありましたが、講師と受講者のコミュニケーションがどうしても一方通行になってしまい、受講者は質問をしづらく講師は学習のつまずきへの対応ができないといった問題がありました。

パソコンの普及とともにこうした問題を解決し、より効率的な学習形態として登場したのがeラーニングです。eラーニングではインターネット回線があれば受講者は自分の都合の良い場所や日時に受講することができ、問題を解いたりテストを受けたりすることができます。

その第一歩として誕生したのがCD-ROMを利用したeラーニングです。データ容量が大きく繰り返し再生可能であるCD-ROMは、 1995年にWindows95が発売されたことをきっかけに普及するようになりました。それまでのパソコンはCD-ROMドライブを有するものはごく一部であったのが、Windows95のパソコンでは標準装備となったのです。

これを機にそれまで紙が中心だった教材がデジタル教材に切り替わり、マルチメディア化が進みました。英会話であれば受講者は講師の発音を耳で聴くことができるようになり、紙を中心とした通信教育に比べて効果的な学習がかなうようになったのです。

パソコンでのeラーニング

パソコンを利用したeラーニングがいちばん最初に登場したのは1950年代のことです。当初はCAI(Computer Aided InstructionあるいはComputer Assisted Instruction)という教育支援システムで、後に登場するCBT(Computer-Based Training)およびWBT(Web-Based Training)と同様に、パソコンの画面上で文字の書き順を教えるなど映像や音声などを複合的に用いる教材を作成し、活用することができました。

1990年代に入るとパソコンが一般に普及するようになり、CAIはCBTおよびWBTへと進化します。CBTはCD-ROM教材などを中心としたものですが、WBTはインターネットなどのWebを利用した学習を指します。

CBTでは教材やプログラムがCD-ROMに記録されているので、内容の改定や修正が困難でした。これに対しWBTでは、教材やプログラムがWeb上に保存されているので提供者はメンテナンスをしやすく、またライブ授業配信など双方向のコミュニケーションによる学習が可能になりました。学習の進捗状況についても、CBTでは受講者側の端末で個別に管理されていたものがWBTではサーバ上で管理できるようになりました。

この背景には先述の通り、1995年発売のWindows95にCD-ROMが標準装備されていたことがあります。また、2000年代にかけてインターネットのブロードバンド化が進み、それまでのダイヤル接続に代わって一般家庭にもADSLやFTTHなどの高速かつ大容量のインターネット接続サービスが普及したことがあります。

政府の「e-Japan構想」の影響もあり、あらゆる分野でのWeb化が進み、2000年ごろには日本において「eラーニング」という言葉が一般に使われるようになりました。さまざまな企業でeラーニング研修が導入され始めたのもこのころです。

スマートデバイスでのeラーニング

eラーニングの歴史は、スマートフォンやタブレット端末などの台頭により、さらに新たなステップに進みます。

2007 年にiPhone、翌2008 年にAndroidを搭載したスマートフォンが発売され、2010年には大型のディスプレイを備えたiPadなどのタブレット端末が登場し、音楽や動画などあらゆるコンテンツの視聴を個人の端末でインターネットを介して行うことが当たり前になりました。

eラーニングもパソコンでなく、スマートフォンやタブレット端末などいわゆるスマートデバイスで受講する人が増えました。スマートデバイスは、そのモバイル性の高さから移動中の待ち時間や休憩時間などを利用して、いつでもどこでも、好きな時に学習することが可能になったのです。

スマートデバイスは直感的な操作性も特徴であり、パソコンに不慣れな人や子どもでも簡単に使えることから学習塾や各種学校での導入が進み、eラーニングの裾野をさらに広げています。従来のeラーニングではパソコンを補完するものであったスマートデバイスは現在ではむしろ主流になりつつあります。

まとめ

eラーニングの歴史を追ってみると、その方法とメリット・デメリットは時流によって変化し、進化し続けていることがわかります。今やあらゆる学習機会において欠かせないものとなったeラーニングですが、2020年に政府が発表した「新しい生活様式」を受けてますます需要が高まることでしょう。

eラーニング教材の作成や添削などにAI(人工知能)を活用する技術もすでに実用化されています。今後はeラーニングの歴史が学習や教育の歴史そのものを変えていくことになるかもしれません。引き続き最新の動向に注目していきたいですね。


eラーニングに欠かせないLMS(学習管理システム)については、こちらの記事もご覧ください。
eラーニングのLMS(学習管理システム)とは-概要から機能まで紹介-

eラーニングの概要・種類について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
eラーニングシステム11選をわかりやすく比較!〜メリットやデメリットまでご紹介~


クラウド型動画eラーニングシステム
UIshare(ユーアイシェア)のサービス資料

圧倒的な低コスト、充実したサポート体制で、社員教育・社内情報共有・パートナーへの情報共有・動画 e ラーニング・eラーニング販売など様々なシーンでご利⽤いただけます。

執筆者情報

株式会社ユイコモンズ UIcommons Inc.

ユイコモンズでは、『世界中の人々が、豊かで実りある生活ができるようにいつでもどこでも誰でも存分に学べる場を創る』をビジョンに掲げ、学びに関するさまざまなサービスを展開しています。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加