eラーニングを導入することで、受講生を集める会場の手配や教材の印刷などにかかる費用の削減など教育提供者にもさまざまなメリットがあります。とはいえ、eラーニングを配信するシステムの導入やネットワーク環境の整備などの導入費用がかかることも考えておく必要があります。
利用するサービスやシステムなどによって、初期投資額は異なります。改めてeラーニングを導入することで得られるメリットやデメリットを把握し、どの手法で始めるのが費用を抑えられるかを検討しましょう。
導入前のおさらい
まず、eラーニングを導入することで享受できるメリットや注意点について確認しておきます。
eラーニングのメリット
・受講会場を手配する手間が省ける
受講者を集めて学習を提供する従来の方法だと、受講者数に見合った会場を用意する必要があります。想定した人数よりも多くの人が集まると、複数の会場を用意したり利用期間が長くなったりと手間がかかることもあるでしょう。eラーニングであればこうした受講会場をおさえる手間もなくなりますし、受講者数が増えても柔軟に対応できます。
・ランニングコストの削減につながる
会場の手配にかかる費用だけでなく、教材の印刷コスト、教材に修正や変更があった場合の再印刷にかかるコストなど、ランニングコストを抑える効果もeラーニングなら実現できます。企業の社員研修などに利用する場合、受講者の交通費や宿泊費といったコストも抑えられますし、一度制作すれば何回利用しても費用は変わらないので運営費用を低く抑えられます。また、用意した教材は繰り返し使えることもコストダウンにつながるでしょう。
・受講者の進捗を把握できる
LMSなどの学習管理システムを併用することで、個人の学習履歴や成績などの情報をまとめて管理できることもeラーニングのメリットです。これらの情報を把握できることで、一人ひとりの受講者に対する教材の提供や指導がしやすくなります。また、受講者からすると不明点は何度でも繰り返して学習できるなど自分のペースで進められます。従来の集団授業や集団研修と比べて一人ひとりにあった学習が提供できることから、全体的なボトムアップにも貢献します。
eラーニングのデメリット
・導入コストがかかる
運用コストの抑制効果が見込める一方で、導入する際には一定の初期投資が必要になります。導入費用は講座内容や受講者数、サービスの提供形態などによって異なりますが、安くても数万円、場合によっては数百万円から数千万円かかることもあります。
・実技研修だとコストが高くなることも
パソコンやタブレットなどのデバイスを通じて学習するスタイルのため、実技をともなう講座は適さない傾向があります。この場合、Webカメラとマイクを使ったライブ機能を利用したり、近年注目されているVR(仮想現実)を活用した実技学習を導入したりと、フォローできる環境を整える必要があります。いずれにしても初期投資コストが高くなるのが注意点です。
・受講者のモチベーションを保ちにくい
時間と場所を選ばず受講できるものの、一人ではやる気が起きないなど受講者のモチベーションを高める工夫も必要です。サービスによってはチャット機能が付いているものもありますから、教育者がアドバイスしたり受講者同士がつながるしくみをつくったりするなど、モチベーションを維持させる体制も整えましょう。
導入の際の料金相場
eラーニングを導入する際は、LMS(学習管理システム)などのシステム開発費や教材の制作費など、さまざまな初期費用がかかります。このうち、導入費用で大きな割合を占めるのがシステム開発などにかかる費用です。
eラーニングは、大きく「ASP型」「パッケージ型」「自社構築型」の3つの提供形態にわけられますが、それぞれの導入費用は大きく異なります。目安となる導入費用について以下で確認しましょう。
ASP型の導入費用の目安
ASP型は、もっとも手軽に導入できる提供形態です。eラーニングサービスを提供する事業者が必要な機能の備わったサーバーをレンタルする方式のため、そもそも自社で開発する費用がかかりません。その代わり、自社独自の仕様にカスタマイズするのが難しいというデメリットもあります。
ASP型の導入費用は、20万円から30万円くらいが相場です。このほか、ユーザー数に応じて月額費用がかかります。一例として、50人までなら月額3万円から5万円程度前後、50~100人の場合だと月額5万から10万円前後のところが多いようです。
パッケージ型の導入費用の目安
事業者が提供するeラーニングサービスのパッケージを、自社サーバーにインストールして利用する方式で、自社独自の仕様にカスタマイズすることも可能です。パッケージに備わっている標準仕様や機能だけを利用する場合なら初期投資額を抑えられますが、学習内容にあわせてオプションとなる機能を追加するなどカスタマイズすると高額になる場合もあります。
目安の相場として、パッケージのみの導入であれば10万円程度、オプションを充実させると100万円程度になるケースもあります。
構築型の導入費用の目安
システム開発業者に依頼して、1からeラーニングのプラットフォームを構築する方式です。自社でネットワーク環境を用意したり、Internet NavigwareやEasyLearningなどのソフトウエアを購入してインストールしたりする必要がありますが、パッケージ型では対応できない仕様や機能の問題を解決できるというメリットもあります。
必要な仕様や機能、規模などによって導入費用は異なりますが、少なくとも100万円程度、場合によっては数百万円から1,000万円台になることもあります。
まとめ
eラーニングサービスを利用する際は、導入費用だけでなく月額の保守費用もかかるサービスが一般的です。特にASP型の場合、初期費用は抑えられても長期間利用すると月額費用が膨れ上がって、結果的にパッケージ型のほうが安くなることもあります。そのため、トータルコストをシミュレーションしたうえで選ぶことも大切です。
もちろん自社にとって使い勝手のよいシステムであることも重要ですから、単に費用だけでなく多角的に検討したうえで導入するサービスを決めましょう。
eラーニングのプラットフォームの提供形態については、こちらの記事もご覧ください。
eラーニングの種類ープラットフォームの提供形態ー
eラーニングの概要・種類について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
eラーニングシステム11選をわかりやすく比較!〜メリットやデメリットまでご紹介~
クラウド型動画eラーニングシステム
UIshare(ユーアイシェア)のサービス資料
圧倒的な低コスト、充実したサポート体制で、社員教育・社内情報共有・パートナーへの情報共有・動画 e ラーニング・eラーニング販売など様々なシーンでご利⽤いただけます。