
時間や場所の制約が少なく自分のペースで学習できるのが魅力のeラーニング。目標に合った学習効果を得るには、受講者・提供者(管理者)の双方で使い方に工夫を凝らす必要があります。
本コラムでは受講者と提供者のそれぞれの立場からeラーニングでできること、その使い方と効果的な学習方法を解説します。
eラーニングの使い方
eラーニングを導入した現場では実際にどのような使い方をしているのでしょうか。また、従来の学習方法と比べるとどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。受講者と提供者の立場別に解説します。
eラーニングでできること
【受講者側】
- 学習計画……スケジュールや履修計画を立てる、講師やスクールからの各種連絡や課題提出の指示などを閲覧する
- インプット学習……動画教材やライブ配信の講義を視聴する
- アウトプット学習……テストを受ける、レポートを提出する
- コミュニケーション……LMS(学習管理システム)の質問機能で講師に質問する、受講者アンケートに回答する、発表やプレゼンテーションを行う、オンラインでディベートを行う(※利用するシステムやデバイスによる)
【提供者側】
- 学習計画の企画立案・全体管理……受講者への各種連絡や学習上の指示を発信する
- 受講者登録・受講内容(履修)登録……受講者の基本情報を登録する
- 学習管理……受講者全員の学習進捗管理・学習履歴や成績の管理を行う
- 教材作成・コース作成……インプット/アウトプット教材を作成・登録する
- フォローアップ……質問・問い合わせへの対応、受講者の学習進捗の問題やつまずきへの個別対応(メンタリング)
eラーニング学習のメリット
【受講者側】
- 時間や場所の制約が少ない
クラウド型のeラーニングなら基本的に、いつでもどこでも自分の都合にあわせて学習ができます。モバイル対応のシステムであれば出先でも受講できてさらに便利です。
- 自分の理解度チェックがしやすい
eラーニングではテスト結果やフィードバックを迅速に受けることができ、自分の理解度(到達度)を随時チェックできます。反復学習が可能なので弱点の強化もしやすいです。
【提供者側】
- 受講者の学習進捗管理や個別フォローがしやすい
多くのeラーニングシステムに配備されている学習管理システムを使えば、受講者全員の学習進捗状況を一元管理できます。また、理解度やつまずきポイントを客観的に把握できるので個別フォローを効率的に行えます。
- 学習内容の質を均一化できる
デジタル教材で内容を統一することにより、「同じ内容なのに講師によってわかりやすさが違う」「教室(会場)によって進度がまちまち」といった不均一性を解決できます。
- 全体のコストを抑えられる
集合研修や一斉授業の場合に必要となる会場費や紙媒体の資料・教材の制作コストを抑えることができます。
- 事前準備の工数を削減できる
上記にともない、事前の会場手配やアナログ教材の作成・配布等の手間を減らすことができます。
eラーニング学習のデメリット
【受講者側】
- ネットワーク環境の問題
eラーニングで提供される教材の多くは動画コンテンツであり、それを視聴できるインターネット環境やデバイス機器が必要です。
- 受講者同士の交流ができない
基本的に受講者は単独で受けるため、受講者同士がコミュニケーションを取ることが難しく、交流や情報交換、人脈づくりなどができない点もデメリットです。
【提供者側】
- ITの知識やLMS(学習管理システム)の導入が必要
新規導入の際には、教材の制作を中心に入念な準備とシステム構築が必要となります。
- 個々のモチベーション管理が困難
基本的に顔の見えないやりとりであり、受講者一人ひとりのコンディションの把握やモチベーション維持が難しい場合があります。
- 学習効果が教材の質に左右される
eラーニングでは良質で最適な教材があれば講師は必要ないとも言われますが、それだけに教材そのものの質が問われます。
- 実技を必要とする学習には不向き
eラーニングは、技術の習得のための実技を対面授業と同様に行うことは難しい傾向があります。ただし近年ではライブ配信やオンライン型VR(仮想現実)の導入が進んでおり、今後は改善が期待できるでしょう。
eラーニングを使った学習方法
eラーニングの学習効果を上げるためには、どのような点に意識すればよいのでしょうか。一例として、社会人が個人的に学習する場合を想定したeラーニングの効果的な使い方について紹介します。
学習時間は15分1セット、1日あたり60~90分間に
人間が集中力を持続できる時間は、およそ15分間と言われます。高度な集中力を要する同時通訳の業務が15分交代であることや、小学校の授業が1コマ45分間であることもこの考え方に基づいています。
eラーニングの学習時間は15分を1セットとし、1日あたりの合計では60~90分とするのがおすすめです。メリハリをつけるため適宜休憩を入れつつ、例えばインプット15分×2セット+アウトプット15分×2セットの合計60分などと時間配分するのも良いでしょう。
まったく取り組まない日もあれば長時間取り組む日もあるなど学習時間にムラがあるとモチベーションの維持が難しく、学習の継続が難しくなる場合があります。無理なく、メリハリのある学習リズムを意識しましょう。
目標を明確化し、最適なコンテンツ(教材)を選定する
eラーニングの学習コンテンツやアプリは多種多様なだけに、学習の入り口となる教材の選定が重要です。具体的な資格取得・技術の習得など最終的に学びたいことや自分が求める到達度(「〇〇試験で〇〇点を取る」など)を明確化し、そこから逆算して最適なコンテンツを選びましょう。
デバイスを使い分ける
eラーニングでは移動中や休憩時間、ちょっとした待ち時間などのスキマ時間を活用して学習するケースが多いでしょう。スマホやタブレット端末、必要に応じてヘッドフォンセットとの併用など自分のライフスタイルや目的に応じてデバイスと機器を使い分けましょう。
アウトプットを実践する
個々で取り組むeラーニングでは、インプットして終わりではなく学んだことをアウトプットする機会を意識的に持つことが大切です。
システムに組み込まれているアウトプット学習以外の方法としては、学んだことを自分の言葉に置き換えて他人に説明することも自分の理解度を深めて学習内容を定着させるのに有効だと言われます。板書をノートにまとめる感覚で、SNSやブログ上に自分が学んだ内容を発信してみるのも効果的でしょう。
オフラインの学習の場と併用する
eラーニングでの学びをより深めるためには受動に偏らないコミュニケーションを意識し、疑問点や知りたい点を掘り下げて講師に質問をすることはもちろん有効です。さらに、同じ内容を学んでいる仲間とオフラインで交流して刺激し合ったり、情報交換をしたりできるような場と併用できればモチベーションの維持と向上につながるでしょう。
まとめ
手軽さと利便性が魅力のeラーニングですが、集合研修や一斉授業などの従来のオフライン学習に比べると受講者側には自己管理や取り組み方の工夫が必要になります
eラーニングを受講する際は、その特徴とメリット・デメリットをふまえライフスタイルや学習目標にあわせて教材やデバイスを使い分けていきましょう。また、提供者側は手間やコストを抑えられるぶん内容に注力し、個々の受講者と効率的かつ密度の高いコミュニケーションを取れるよう工夫することが大切です。
オンライン講座の学び方・選び方については、こちらの記事も併せてご覧ください。
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eラーニングの概要・種類について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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